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石の輝き
2016.03.30 Wednesday 03:33
160330b.jpg

トラピッチェエメラルドです。
1粒が約6.7ctもある大粒。
あまりの見事さに仕入れてしまいました。
ペアでピアス用販売でしたが
こんなすごいお品、分けてお店に出します。


先日あるお客さまに
すっかり「石屋」さんになってきましたね、と言われて大笑い。
確かに今は店長の趣味の石コーナーに注力しています。
特にルースコーナーは、まだまだ足りない。
できるだけなかなか手に入らないようなものを
少しでも身近に持っていただけるように
加工賃を払っても宝石屋さんよりお安くなるように
そう思ってまス。


そして何よりも「生きている」石をお届けしたい。
死んでいる、いや、綺麗にするために殺してしまった石なんて可哀想です。
だからルースコーナーはすべてを中央宝研さんで鑑別してもろてルんです。


でもこのトラピッチェエメラルドは含侵処理がされています。

160330b0.jpg
これだけのお品なので鑑別書を依頼しました。

160330b0a.jpg
『透明度の改善を目的とした無色透明材の含侵が行われています』

今まで無処理のエメラルドを探し回っても
全部ハズれでした。(笑)
エメラルドの無処理は1万個に1個、
或いは10万個に1個ともいわれます。
産出してすぐに含侵処理されるのがほとんどだからです。

さらにトラピッチェの産出量はエメラルド全体の1%以下もありません。
千分の1とも万分の1ともいわれます。
もう、無処理のトラピッチェエメラルドなんて、きっぱり不可能です。

160330b0b.jpg

透明度を上げるだけが目的ではありません。
エメラルドは職人泣かせと言われる石。
硬いけれど脆いんです。
カットして磨く途中にまず、壊れやすい。
やっとできたと思って台座につけようとして壊れた・・・
なんて話もよく聞きます。
補強していないと、特にトラピッチェなんて
六方に走る成長線でさらに割れやすい。

だからこの品は含侵処理とわかっていて入れました。
『キャピティに充填物を認む』というのは
その含侵している(おそらく透明レジン)が
表面に出てしまっている、ということらしいです。
中央宝研の担当さんから教えていただきました。

これが色つきの含侵やったら買いません。
この子は透明剤やとわかっていて、
この見事なエメラルドカラーが天然の色なので
それで惚れました。

中央宝研さんの「鑑別書の見方」です。

160330b4.jpg


例えばエメラルドより希少かもしれない
ピンクベリルことペツォッタイト、
ピンクエメラルドなんて呼ばれたりしますが
エメラルドが緑の石って意味なのに
そんな呼び方、ヘンです。

160330b1.jpg
でもこれもエメラルドと同じ、
非常に脆いんです。
ペツォッタイト自体がほとんど少ないですが
無処理が売られているのを見たことがありません。
この子も含侵処理がされています。


鑑別書付、として売られているのはあります。
でも鑑別書がついているからといって
それが無処理だというワケではありません。
以前、あるお店で「鑑別書付です」と写真が載ってて
そこに「加熱処理」と書かれていて大笑いしました。

花もそんなバカ正直でありたいと思います。ラッキー


含侵処理は生きている石に穴埋めするんやから
石は死んでいません。
だから褪色とかもします。
カラー剤を含侵してたら別ですが。


今回はお店に出しませんが
超希少石の1つ、アウイン(アウイナイト)
これも含侵をされていないものは
エメラルド以上にほぼありません。

160330b1a.jpg
アウインをたくさん置いている大手のお店でも
『鑑別書付』はあっても
『無処理』は見たことがない。
この子も脆いんですよね・・・


言い訳ではないですが
含侵が致し方ない石もたくさんあるんです。
もちろん、花は無処理のエメラルドを探し続けますよ。
絶対見つけてやる〜


ルースやカボションなどのファセットは
出来上がった石以上の大きさの原石だったんです。
特にルースは3倍の大きさが必要だと言われています。

『カットは石を小さくする。
しかしカットは石を最大限に輝かせる」

そのルースに花は心を奪われました。


ルースのカットはこんな機械を使ってします。


これは最新の機械なので
細かい角度などが電子制御できます。
普通は職人さんの勘だよりなんですけどね。


この機械、欲しいなぁ〜(笑)
諭吉さんが70人以上要りますけどね。^^;


まぁ、こんな電子制御の凄い機械でなくても
4〜50万くらいするようです。
そしてこれを駆使してルースカットをするわけですが
その腕利きの専門家を「マスター」と呼びます。

160330b7G.jpg
これは世界の宝石専門家の方々が集う
世界宝石協会とでも訳したらいいのかな。
もちろん著名なマスターたちも加入されています。
その中でもゴールドメンバーのマスターに
アメリカのオーナーがいくつかカットを依頼しました。

160330b7b.jpg
この子はダンビュライトです。
ダイヤモンドの変わりにも使われたと言われる透明な石。
ヒーリングの世界でも有名な石です。
でもこの子はほんのちょっぴりですがピンクがかっています。
数少ないピンクダンビュライトです。

凄い輝きでしょ?^^

この方々にカットしてもらった宝石は
相場の倍くらいのお値段になります。
あるいはそれ以上の場合も。
まず、最高級の石しか使いはりませんモンね。

160330b7c.jpg
でも納得できるカットですよ。
輝きももちろん違うんですが
なんていうのか・・・品があるんです。
完成形というのはこんなに素晴らしいものか、と。


160330b8.jpg

中央宝研さんが宝石の扱い方を書いてくださっています。




生きているルースにもハマりましたが
もちろん原石の魅力にはますます虜の花です。
以前も生きている石でご紹介しましたが
小さなツグツパイトの欠片をご紹介します。

160330b3.jpg
実はこの子たち、
半月くらいくらい箱の中にいたので
白っぽいんです。

もちろんお日さまにあてたらこんなに元気に♡

160330b3a.jpg
1cm前後の小さな欠片さんたちですが
これでも1個、5000円くらいになります。
まだしばらく余裕がないので
お店に出すには時間が掛かりそうですが。



生きている石。
生きている石の輝き。
それはカットでさらに輝きますが
まずは生きている命の輝き。


素晴らしい子のビデオを2つ、貼っておきますね。
トルマリンはトラピッチェエメラルド1つよりお高くなるかも。
ブルーの入ったバイカラーですら見たコトないんですケド
なんとこの子は中央宝研さんが認めたパーティーカラード。
しかもなんと6カラット超です。

まるで満天の星空か、宇宙を見ているような気持になります。






そしてこちらはイリスアゲート。
アメリカなどではアゲートがとても人気があるんですが
その中でもアゲートハンターたちが血眼で探し回るのが
このイリスアゲートです。

幸せを運ぶ虹のアゲート・・・

ぜひ、どちらもYouTubeのマークをクリックして全画面でお楽しみください。^^






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